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【vol.10】学校における放射線教育の現状と問題点

今小・中・高学校における理科教育の重要性が問われている。

これまでの日本の学校教育は、文部省の指導の下、国民全体の識字率向上に向け、画一的な教育内容が進められて来た。その結果世界のトップレベルに達し、大いに貢献したことは確かだ。

しかし90年代に入り、トップクラスにいた、理科や数学の学力は、極端に低下し、科学技術に関しての理解度は、OECD諸国の中でも最下位クラスというのが現状だ。
原子力の理解度にいたっては、ヨーロッパ7ヶ国と比べ、日本の生徒はこれも極端に低い結果が出ている。

これだけでも、日本の放射線・原子力についての学校教育が、不十分であるかが分る。

この現象は、理科教育一つとっても実証される。1965年代の理科授業時間は小・中・高共週12時間あったのが、現在は7時間と減っている。科学技術は日進月歩進化、高度化しているのに。

これは大学入試制度の影響もあり、難しいと敬遠されている物理は、極端にいうという理工系を目指す受験者しか学んでいない、という事になろう。
これらも全て、学校で教えるべき内容を規制している悪名高き「学習指導要領」が足枷になっていることは言うまでもない。

そうした実情に文科省は、平成15年に新たに改正した「新学習指導要領」を実施した。

その結果これまでの「総合理科」から「理科基礎」『理科総合A』「理科総合B」という3つの科目が創設された。
ここで始めて理科と社会とが、融合したカリキュラムが組まれ、高く評価したい。

いずれにしても、放射線・原子力などの基礎的先端科学技術は、社会と学校が一体となって進めていかねばならない問題といえよう。

現在放射線・原子力等の問題は、TVや新聞などのマスコミ情報に頼っているのが現状、これも社会教育として大切だが、全てを鵜呑みにするのはどうか。
社会教育の基礎は、学校教育にあることは周知の通り、だからこそ学校で正しい教育がされれば、家庭を通じて社会に広がっていくことになる。

今後は臨時講師としてでも、放射線・原子力の専門家に来てもらい、生徒、先生ともども正しく理解することが望まれよう。

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